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2026.10.13

MineCraftで月面プラントを制作!タツナミ先生との挑戦【連載】月へ挑む、宇宙エンジニアたち(第12回)

海外でエネルギーや産業インフラ向けのプラント事業を手掛ける日揮グローバルの中で、宇宙領域に特化した「宇宙エンジニア™」。皆さんご寄稿のもと、日本が宇宙領域において抱えている課題や挑戦を発信する当連載。

今回は、子どもたちに大人気のゲーム「マインクラフト(以下、マイクラ)」を舞台にした、コラボレーションプロジェクトに注目。2025年日本テレビが主催する夏の学びのイベント「汐留サマースクール」における、JAXA応援団アンバサダーのタツナミシュウイチ先生との出会いから、新たなプロジェクトが始動!?未来のエンジニア育成に届けるため、MineCraftのワールドを作り上げる制作秘話を語っていただきました。(リード=SpaceStep編集部、本文=日揮グローバル 宮下俊一さん)

【連載一覧】月へ挑む、宇宙エンジニアたち

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今回の宇宙エンジニアは


日揮グローバル株式会社 Engineering DX推進室

宮下 俊一さん

1998年入社。サウジアラビア・オマーン・マレーシア・ベトナムなど多くの海外プロジェクトにてOil & GasプラントのEngineeringに従事。2018年よりIT Grand Plan2030策定・推進メンバー、2020年から月面プラント開発責任者を務め、2024年からEngineering DX推進室の室長。Engineering DXを実現した未来の姿として、Lunar Smart Community® (Lumarnity®)を提唱し、宇宙エンジニア™として開発管掌・プロジェクトディレクターを務める。

今回のゲスト


タツナミシュウイチさん

Japan Crafters Union 代表、東京大学大学院 客員研究員、常葉大学 客員教授。
2018年マインクラフトマーケットプレイスにてアジア初、日本初の作品をリリースしゲーム教育研究開発業務を開始。2021年9月 Microsoft Innovative Educator FELLOW の称号を米マイクロソフト社から授与。情熱大陸(毎日放送)、マツコの知らない世界(TBS)、有吉ぃぃeeeee!(テレビ東京)など地上波番組にゲーム教育の有識者として出演しゲームの学習効果について広く発信。現在もデジタル空間をプラットフォームとしたゲーム教育の第一人者として学習教材制作や活用を研究中。
JapanStepでは連載「タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流」でマインクラフトの教育活用における知見を発信中。

汐留サマースクールにおける偶然の出会い

汐留サマースクールは、未来を担う世代の子どもたちが「好き」を見つけ、伸ばすことで、未来をワクワクしながら想像できるきっかけをつくる「学び」のイベントです。 小学生の夏休みの宿題や、自由研究にも役立つ「学び」の体験として、日揮グローバルは、Lumarnity® 360 (【単眼レンズ型】Lumarnity360 月面開発体験ツアー VRゴーグル)を使った「月面プラントVR体験ツアー!」を2024年と2025年に出展しました。


汐留サマースクール出展風景

2025年8月3日(日)、ブースに並ぶ行列の中に、なんと日本で最初のJAXA応援団アンバサダーで有名なタツナミシュウイチ先生がいらっしゃいました。テレビ番組への出演や、教育の現場でマイクラを活用する第一人者として有名です。こんな奇遇があるのかと、ご挨拶して名刺交換をさせてもらいました。タツナミシュウイチ先生も、汐留サマースクール内のイベント「月面基地を作ろう! ルナクラフトワークショップ」の運営で参加しており、ワークショップが終わった後に「月面プラントVR体験ツアー!」に遊びに来てくださっていました。実はタツナミシュウイチ先生は、VRchatでLumarnity®ワールドを知っており、Lumanity®ブースを見てまわろうと思っていたとのことで、この貴重な機会を活かして、是非コラボをしたいと意気投合となりました。

Lumarnity® Experienceを提供する弊社の取組の目的は、日揮ブランドの浸透、宇宙開発の気運醸成、及びSTEM教育による社会貢献 (次世代のエンジニア育成)の3つです。一方、なかなか多くの子供たちに知ってもらう機会が少なく、マイクラがその起爆剤になるのではと考えていました。

「宇宙を自分事化してほしい」。コラボレーションが始動

マイクラは、すべてが四角いブロックでできた世界で、自由に冒険や建築、モノづくりを楽しむことができる大人気のサンドボックスゲームです。2011年に正式リリースされ、世界で最も売れているゲームの一つとなっています。 マイクラには、パソコン版・スマホ版・家庭用ゲーム機版などさまざまな環境に対応したものがあり、子どもたちは「マイクラ=楽しいゲーム」として認識し、実際に多くの子供達が遊んでいます。

コラボのはじめの一歩の作戦会議は、宇宙エンジニア™側がマイクラのエディション※も分からず、初心者質問をしながら議論となりました。Lumarnity® ワールドのマーケットプレイス販売ができるかも、とぼんやり考えていましたが、すでに飽和状態のマーケットプレイスでLumarnity® ワールドが浸透する確率は低いとの結論になりました。

※エディション:マイクラを遊ぶ機器や目的に合わせて作られた、仕様や対応機種の異なるゲームの種類。「Java版」はPC専用でMOD改造が強み。「統合版」はSwitchやスマホなど多機種でクロスプレイ可能。そして「教育版」は学校の授業やプログラミング学習向け。

統合版のワールドに新しい要素や変更を追加する公式の仕組み「アドオン」ならいけるのでは、となり、Lumarnity® の各設備を単なるブロックとして配置するだけでなく、それぞれが特定の機能や役割を持つエンティティとして制作することで、面白さや教育的価値が格段に向上する可能性を議論しました。

しかしながら、今一度、目的を再整理しました。狙いとしているのは「宇宙でモノづくりをする」という疑似体験をマイクラを通して提供し、遠い存在である宇宙を身近に感じてもらうこと。

自らの手で作り上げる没入感を通し、子供たちの興味・関心を引き出すし、「もっと知りたい」「いつか実際に宇宙へ行ってみたい」と未来に向けた強い憧れを育むことを着地点としました。そこでLumarnity® の世界観を、既存のブロックを使って作る説明動画を制作し、その説明動画をYouTubeで公開する事により、マイクラユーザー達とのタッチポイントにすることとしました。

VRデータから圧巻の再現性。ゼロから作り上げた「LumarnityCraft」

最初はVRで使っているUnityのデータがすでにあるため、そのデータを上手く変換しマイクラで表現するのがよいと思っていましたが、ゼロからワールドを作った方が早いとのことでした。

素人の発想は捨てて、VRのデータに、それぞれのサイズ情報を追加でタツナミシュウイチ先生にお渡しして、ワールドを制作頂きました。正直、ブロックで作った世界なので、粗い世界を創造していましたが、出来上がったワールドを見て驚きました。圧巻の再現性で、お世辞抜きでVRの世界に見劣りを感じません。


LumarnityCraftワールド

宇宙エンジニア™のスキンもしっかり作ってくれ、こちらはちょっと可愛い感じの味があり、すっかりお気に入りになりました。


宇宙エンジニア™︎のスキン

ワールドの名前を「LumanrityCraft」と命名し、ダウンロードページは、宇宙の店の協力のもと作成してもらいました。(ダウンロードページはこちら)


ダウンロードページ (出典 : 宇宙の店ホームページ)

解説動画で共演!「月の街ルマニティ」を散歩

マイクラワールド「LumarnityCraft」を通じて、宇宙エンジニア™のリアルな開発を知ってもらうこと。そして多くの子供たちがワールドをダウンロードして、マイクラで月面開発を体験し、自分事化してもらうことを目的として、動画を撮影しました。

登場人物は、宇宙エンジニア™とタツナミ先生の二人です。本物のLumarnity®を設計する宇宙エンジニア™と、それをマイクラで再現したタツナミ先生が、二人の掛け合いで施設を案内するスタイルで以下の構成で撮影しています。

<構成>
「マイクラで散歩、月の街ルマニティ」の構成

① オープニング | 地球→月へのイントロ
② キャラ紹介&マイクラワールドへ | 登場人物紹介
③ 月面港 | 宇宙船が着く場所
④ 推進薬プラント(水からエネルギー) | Lumarnity® の核心
⑤ 太陽光パネル | 電気の作り方
⑥ 月面基地の中(農場・生活) | 食べ物と空気の話
⑦ まとめ・エンディング | 地球との共通点・SDGs

宇宙エンジニア™は横浜みなとみらいのオフィスで撮影しました。人前で話す事には慣れていたものの、撮影となると勝手が違って、普段に無いたどたどしさと緊張感がでてしまい、ご愛敬です…。


動画の撮影風景。 動画はこちらから、ぜひご覧ください

なお今後は、LumarnityCraftワールドを通じて、未来の月を創造し、楽しく学べるイベントを宇宙の店で開催する予定です。(本イベントは、Minecraftの公式のサービスではありません。MojangまたはMicrosoftから承認を受けておらず、それとの関連性もありません)
宇宙エンジニア
™と、「また宇宙の店で会いましょう!」。