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2026.03.30

宇宙の謎「ダークマター」を知る!【連載】コスモ女子の“ふわり、宇宙遊泳”(第3回)

みなさんこんにちは!宇宙を身近にする女性コミュニティ「コスモ女子」です。

私たちが宇宙を楽しむエピソードや取り組みを紹介する本連載。今回のテーマは「ダークマター」。なんだかカッコいいこの言葉。宇宙関係の記事や創作物で見たことはあっても「宇宙にあるよくわからないなにか」という認識ではないでしょうか。ということで、自らの勉強も兼ねて、今回はダークマターについて記事にしてみました!(文=コスモ女子、編集=SpaceStep編集部)

「見えないけれど、そこにある」ダークマターって?

まずはダークマターがなんなのかについて調べてみました。

「ダークマター」を直訳すると「暗黒物質」。

光を出さず、直接見ることはできませんが、重力だけは及ぼすと考えられている物質です。

「目には見えないけど、そこに何かが存在していないと観測の辻褄が合わない。ダークマターという物質があると仮定しよう!」となったことがはじまり。話は約90年前に遡ります。

●1933年

スイス国籍の天文学者フリッツ・ツビッキー氏は、かみのけ座銀河団(Coma Cluster)を観測していました。そこで次の問題に気づきます。

「銀河団の中の銀河がものすごく速く動いている!?」

見えている星の質量だけでは、重力が弱すぎて銀河団がバラバラになるはず...。
つまり、計算上の重力が足りない。

そこでツビッキー氏はこう考えました。「見えていない質量が大量に存在するのではないか?」
これを彼はドイツ語で「dunkle Materie(暗い物質)」と呼びました。これがダークマターの最初の提案です。

(出典:ETH Library Zurich)フリッツ・ツビッキー氏

ただし1930年代は、観測精度が低いうえ、銀河の質量もよく分かっていないため、研究者の多くは「計算か観測のどちらかが間違っているだろう」と考えていました。

●1970年代

決定的にしたのは、アメリカの天文学者ヴェラ・ルービン氏。銀河の回転を精密に測定した結果、衝撃的な事実が。どの銀河においても、見える質量では説明できない問題(外側の星が速すぎるなど)が起きたのです。

ここで初めて「本当に見えない質量があるのでは?」と広く受け入れられ、ダークマターは宇宙論の中心テーマになりました。

ダークマターが引き起こす、宇宙の謎たち

ダークマターの存在を示す例をあげてみます。

太陽系では、太陽の周りを地球や火星などさまざまな星がぐるぐる回っていることは、みなさんご存じだと思います。これらの星々は、中心の太陽から離れるほど太陽の引力が弱くなるため、ゆっくりと回っています。

銀河はその太陽系を含むくらい巨大な星々の集まりで、同じようにぐるぐると回っています。
太陽系との違いは、回転の中心から離れている星も、中心近くにある星も、「同じ速度」で回っているものがある、という点です。

また、遠い場所にある星には大きな遠心力がかかり、宇宙のかなたへ飛んでいこうとするはずですが、実際には飛んでいかず銀河は存在しています。

これは、質量を持った目に見えない物質(=ダークマター)が存在していて、飛んでいこうとする星を重力で引き留めているためだ!と考えられています。

うーん、不思議ですね。

その他にも、「重力レンズ効果」と呼ばれる現象が、ダークマターが原因で起こっていると言われています。

これは、巨大な質量を持つ天体(銀河団など)が、光を重力で歪める現象。遠くの銀河が弓状(アーク)にゆがんだり、同じ天体の複数の像が見えたりします。

(出典:NASA)うっすら見える曲線が、重力レンズでアーク状に引き伸ばされた銀河

ちなみに、わたしたち人間が直接触れたり、光(電磁波)を使って観測したりできるすべての物質は、宇宙全体のたった5%しかないそうです!夜空の星々や太陽も含めて、残りの95%は見えていないというのだから驚きです。

ちなみにその95%のうち、27%がダークマターで、68%はダークエネルギーと考えられています。

ダークマターが正体不明の物質なら、ダークエネルギーは正体不明のエネルギー。これまた、「無いと説明がつかないけど、なんなのかはわからない」エネルギーで、宇宙中に浸透しているそうです。宇宙の95%はわけがわからないもので構成されているということですね。実にミステリアスです!

目に見えない不思議な物体、ダークマター。その正体は・・・わかっていません。

先述のとおり、存在していることは確かなようですが、現代科学をもってしても、ダークマターの正体は推測することしかできないのが現状です。目で見えない=直接観測できないのだから、わかることが少ないのは無理もない気がしますね。

一説によると「ニュートラリーノ」という微小な素粒子がダークマターの有力候補としてあげられています。
ただ、それ以外にもさまざまな未発見の粒子が候補としてあげられており、これ!と確定されているものはないようです。なにもわからないということが、逆に魅力的に感じますね。

(引用:NASA「dark matter」)宇宙を構成する3つの要素

なんとも不思議なダークマターですが、実はわたしたちの近くにも存在しているといわれています。
宇宙ではダークマターが凄いスピードで移動しており、地球もときどきその通り道になるとのこと。

ダークマターは目に見ることができない小さな小さな粒子ですので、わたしたちのすぐ近くを通り抜けていてもおかしくない、という説もあります。

これを読んでいるあなたのすぐ横を、今もダークマターが高速で飛んでいるかも……なんて想像を膨らませるのもおもしろいですね!(次回につづく)

【関連リンク】

●原文:コスモ女子note「謎の暗黒物質「ダークマター」を徹底解説!
●参考:NASA「dark matter
●参考:Wikipedia「暗黒物質