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2025.11.26

JAXAの月面ワールドを探検せよ!メタバースが変える次世代の宇宙教育

 (引用元:PR TIMES

かつて、宇宙は図鑑や映像を通して“見る”ものだった。しかし今、子どもたちは自らアバターとなり、リアルな月面を“探検”する時代を迎えている。JAXA宇宙教育センターが本格的な観測データを用いて制作した月面ワールドと、monoAI technologyのメタバース技術が融合した体験型ワークショップが、その最前線だ。これは単なるゲームではない。未来の宇宙開発を担う世代の知的好奇心と創造力を育む、全く新しい宇宙教育の形がここから始まろうとしている。

本物の科学に触れる、JAXA制作『LUNARCRAFT』の没入体験

この取り組みの中核をなすのが、JAXA宇宙教育センターが開発したMinecraft内のオリジナルワールド『LUNARCRAFT』だ。

特筆すべきは、その圧倒的なリアリティ。ワールドの地形は、JAXAの月周回衛星「かぐや」が実際に観測した詳細な地形データに基づいて構築されており、子どもたちは科学的に正確な月面環境を自由に歩き回り、探査することができる。これは、バーチャル空間だからこそ実現可能な「本物の科学」に触れる体験だ。

従来の宇宙教育が、専門家による講演会や展示物の見学といった知識のインプットが中心だったのに対し、このワークショップは全く異なるアプローチを取る。子どもたちは受け身の学習者ではなく、能動的な探査者・創造者となるのだ。月面に基地を建設したり、探査ミッションに挑んだりといった協同作業を通じて、自然とチームワークや問題解決能力が養われる。失敗を恐れずに何度でも挑戦できるメタバースの特性は、子どもたちの自由な発想力を最大限に引き出す。

今回のイベントでは、この『LUNARCRAFT』での創造体験の前後に、monoAI technologyが構築した2Dメタバース「ZEP」の空間を活用。宇宙に関する特別授業で知識を深め、イベントの最後には自分たちが作った月面基地の発表会を行う。インプットとアウトプットを繰り返すこの学習サイクルが、子どもたちの学びをより深く、確かなものにしていく。


(引用元:PR TIMES

地理的・身体的制約を超えて、宇宙への夢を共有するプラットフォームへ

JAXAが持つ最高の宇宙教育コンテンツを、より多くの子どもたちに届けるために不可欠な役割を果たすのがメタバース技術だ。monoAI technologyが提供するプラットフォームは、地理的な距離はもちろん、さまざまな事情から対面での活動に参加しづらい子どもたちにも、等しく宇宙への扉を開く。

参加者はアバターを介して交流するため、外見や体調などを気にすることなく、純粋に「宇宙が好き」という共通の興味関心でつながることができる。2024年度に実施された同様のイベントでは、参加者から「仲間と協力するのが楽しかった」という声が寄せられており、メタバースが育むコミュニティの可能性は既に証明済みだ。今回の事業が、単発のイベントではなく、年間を通じた定期的な交流の場として計画されている点は特に重要だ。一過性の出会いでは終わらない継続的な関わりが、子どもたちの間に本質的な信頼関係とコミュニティ意識を育んでいく。

この取り組みは、宇宙教育のあり方を根本から変える可能性を秘めている。これまでは限られた場所でしか体験できなかった高品質な教育コンテンツが、メタバースを通じて全国どこからでもアクセス可能になるのだ。横浜市が主体となって実施するこの事業は、先端技術を活用して教育の機会均等を実現するモデルケースといえるだろう。

未来の宇宙飛行士や技術者たちは、こうしたメタバースでの原体験を持つ世代から生まれてくるのかもしれない。宇宙への憧れを、具体的な創造活動へと昇華させるこの新しい学びの場が、日本の宇宙開発の未来を担う人材を育む土壌となることが期待される。